UFOみたいな楽器、名前は?お皿にも亀の甲羅にも見えるあの楽器の正体
「UFO楽器」とも呼ばれる、UFOの形をした金属製の打楽器。その名前はハンドパンです。UFO 楽器の音の仕組み、スチールパンとの違い、初心者でも音を外さない理由を、東京のハンドパン専門店が解説します。

最終更新: 2026年8月
膝の上に置かれた、金属製の丸い物体。UFOのようにも、お皿を2枚あわせたようにも、亀の甲羅のようにも見える。手で軽く叩いているだけなのに、聞いたことのない澄んだ響きが広がっていく——。
一度どこかで見かけて、「あれは一体何という楽器なんだろう」と思ったまま名前が分からずにいる方は少なくありません。
この楽器の名前は**ハンドパン(Handpan)**といいます。
私たちは東京でハンドパンの専門店と教室を運営しており、これまで「楽器の経験はまったくありません」という方を何人も、実際に人前で演奏できるところまで指導してきました。その経験から、この楽器について知りたいことをまとめました。
この記事でわかること
- UFOやお皿、亀の甲羅に見える楽器の正体
- なぜ初心者でも「音を外さない」のか
- スチールパンやタングドラムとは何が違うのか
ハンドパンとはどんな楽器か
ハンドパンは、金属製の打楽器です。直径はおよそ55cm、高さは25cmほど。2枚のお椀のような半球を組み合わせて作られており、この構造があのUFOのような、あるいは亀の甲羅のような独特の形を生んでいます。
上面には円形やだ円形のくぼみがいくつも配置されています。これが音を出す部分で、トーンフィールドと呼ばれます。ひとつひとつが特定の音程に対応しており、中央にある一番大きな音はディンといいます。
底面には共鳴穴が開いていて、楽器全体が大きな共鳴箱として働きます。ギターの表面に開いた穴と同じ役割です。あの、音が空間に浮かんでいるような広がりは、この構造から生まれています。
なぜ初心者でも「音を外さない」のか
ハンドパンが他の楽器と決定的に違うのは、間違った音が出にくいという点です。
製作の工程で、職人がひとつひとつのトーンフィールドを金槌で叩きながら時間をかけて調律していきます。その結果、ひとつの楽器に配置される音は、互いに調和する音だけで構成されます。
つまり、どこを叩いても音楽として成立する。楽譜が読めなくても、音楽理論を学んだことがなくても、手で触れた瞬間から音楽になります。これが「楽器はやったことがない」という方にハンドパンが選ばれている最大の理由です。
演奏方法もシンプルで、膝の上か専用のスタンドに置き、手のひらと指で叩きます。バチも弓も必要ありません。
初心者の方が実際にどのくらいで弾けるようになるのかは、ハンドパンは難しくないで詳しく紹介しています。
スチールパン、タングドラムとの違い
「あの楽器はスチールパン(スチールドラム)では?」と思われることがよくあります。近い関係にありますが、別の楽器です。
スチールパンはトリニダード・トバゴ生まれの楽器で、ドラム缶から作られます。スタンドに据えてバチで叩くため、音は明るく打楽器的。カーニバルのイメージが近いでしょう。
対してハンドパンは手で直接演奏し、音はやわらかく、余韻が長く続きます。
タングドラムは表面に切れ込み(タング)が入っている別の楽器で、より小型で安価なものが多く、音の伸びはハンドパンほどではありません。
この違いはハンドパンとスチールパンの違いでさらに詳しく解説しています。
ハンドパンの歴史 — 生まれたのは2000年
意外に思われるかもしれませんが、ハンドパンは古い民族楽器ではありません。2000年、スイスのベルンで生まれた、まだ25年ほどの歴史しかない楽器です。
きっかけは1999年、スイスの打楽器奏者がPANArtという工房を訪れ、「手で直接叩ける金属の楽器がほしい」と話したこと。そこで南インドの壺型打楽器ガタムの話題も出ました。
これを受けて、フェリックス・ローナーとサビーナ・シェーラーの2人が開発に着手します。ローナーは1970年代からスチールパンの製作と調律を続けてきた職人でした。ハンドパンは突然のひらめきではなく、金槌を握り続けた数十年の延長線上に生まれた楽器です。
完成した最初の楽器は**Hang(ハング)**と名付けられました。ベルンの方言で「手」を意味する言葉です。2001年に発表されると世界中から注文が殺到し、生産が追いつかないほどの反響を呼びました。
「Hang」はPANArtの登録商標で、2013年に生産が終了しています。その後、世界各地の製作者が同じ構造の楽器を作るようになり、これらを総称する呼び名として**「ハンドパン」**という言葉が2007年頃から使われるようになりました。今、私たちが目にするハンドパンはこの流れの中にあります。
実際に触れてみるのが一番早い
ハンドパンは、音源や動画では本当の魅力が伝わりにくい楽器です。実際に手で叩いたときの、体に響く感触と余韻の長さは、その場でしか分かりません。
MASH Handpanでは東京で体験レッスンを行っています。楽器はこちらで用意しますので、手ぶらでお越しいただけます。演奏経験はまったく必要ありません。実際に、この記事を読んでいる方と同じように「名前も知らなかった」という状態から始めた方がほとんどです。
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